岩手県紫波町の地域おこし協力隊の任期終了間際に父を亡くした著者は、悲しみを受け止めてくれる伴侶と出会い、「カンチョー」(紫波町の図書館長)に推挙される急転直下の展開へ。館長としての「私」には今、町で起きていることや現状から何を届け、伝えられるかを考えなければならない役割がある。でも一方で自分という主語も大事。自分がどうしたいか、自分ならなにができるか。私という館長が図書館をどう運営していくかは、自分を主語にして選ぶほかない。待望の下巻は、ライブラリーオブザイヤー優秀賞にも選ばれた紫波町図書館の館長職のバトンを引き継いだ著者が考える、思案の日々を描く。