一年前に保護団体から一匹の犬を引き取ったことによって、変わりゆく生活。公園につどう犬連れの人間たちや定期的にゴミ拾いをしてくれているボランティアの存在に気づくこと。わたしのものだったけれど犬のものになったブランケットのこと。誤食防止のために家を整えること。
一匹だけしか引き取ることができなかったことで、「きみ」をきょうだいから引き離してしまったことへの負い目を感じながら、だからこそきちんと快適で整った生活にしたいという責任。
愛すべき他者(犬)への豊穣な想像力に溢れたエッセイ。